モンテ・クリスト伯(アレクサンドル・デュマ作 山内義雄 訳)全7巻を読みました
1.貿易会社モレル商会の若き一等航海士エドモン・ダンテスは許嫁メルセデスと
の結婚の直前、前途を嘱望されていた彼に嫉妬を抱くダングラール、フェルナン、
カドルッスによって検察に無実の罪を密告される。
それを受付けた検事ヴィルフォールは無実を知りながら己の保身のためダンテス
を終身禁錮の刑を課しシャトー・ディフの監獄に送り込んでしまう。
ダンテスは閉じ込められたシャトー・ディフの地下牢で隣の部屋から聞こえる
微かな物音に気づきなんとか壁を破ってその部屋の主に会いたいと願望するよ
うになる。
その時に掘り進むための道具にする鉄の柄をを手に入れた時の彼の言葉
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朝食はパンがたった一片。獄丁は入ってきて、パンをテーブルの上にのせた。
「どうした!他の皿を持ってこなかったのか?」とダンテスは尋ねた。
「いや」と、獄丁は応えた。「お前はなんでもこわしてのける。水差をこわす。
わしが皿をこわしたのもお前のせいだ。囚人の誰も彼もが、みんなお前のような
ぶちこわしをやったとしたら、おかみだってやりきれまい。お前には鍋を置いて
いく。そのなかにお前のスープを入れることにする。こうしたらこのさき世帯道
具をこわすまい。」」
ダンテスは、思わず天を振り仰いだ。そして、夜具の下で両手を合わせた。
鉄の柄が自分の手に残されたこと、それは彼に、天に対する深い感謝の気持ちを
起こさせないではいなかった、これまでの生涯を振り返ってみたかぎりにおいて、
いかに嬉しいことがおとずれたときでも、これほど嬉しかったことはついぞなか
った。
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2.獄中で隣室のファリア司祭と邂逅し、あらゆる学問を授かり地中海の孤島にあ
る財宝の在りかを教えられ、そして司祭の死にと引き換えに自由を得娑婆に生
還した。
ダンテスはモンテ・クリスト伯爵(キリストの山)と名を変え周到な準備で復讐
にかかる。
カドルッスは悪党仲間に殺され、フェルナンは昔の裏切り行為を告発され自殺、
ヴィルフォールは父、母、妻、娘、息子が次々に死んでしまう不幸に見舞われる。
ヴィルフォールに正体を現したダンテス(モンテ・クリスト伯)の言葉、
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「この私が、君にいったいなにをしたというのだ?」とヴィルフォールは叫んだ。
「あなたは、わたしに、緩慢な、きわめて非道な死刑宣告をおくだしだった。
あなたは、わたしの父をお殺しだった。あなたは、わたしの自由とともにわ
たしの愛をもおうばいだった。そして、愛とともに幸福までも!」
「そういう君は誰だ? いったい誰なのだ?」
「このわたしは、あなたが、シャトー・ディフの土牢に埋めた不幸な男の亡霊
なのだ。その亡霊はついに牢から出ることができ、神はその亡霊にモンテ・
クリスト伯の仮面をかぶらせたもうた。」
「おお、わかった、わかった!」と検事総長が叫んだ。「そういう君は・・・」
「そうだ、エドモン・ダンテスだ!」
「エドモン・ダンテスだ!」と、検事総長は、伯爵の手首をつかみながら叫んだ。
「そうか。それならこっちへ来てもらおう!」
「これを見ろ、エドモン・ダンテス」と。彼は、伯爵に、妻と子供の死体をしめ
しながらいった。「さあ、見てもらおう。これで胸がおさまったか?・・・」
その恐ろしい光景を目にして、モンテクリスト伯は、さっと顔色を変えた。そし
て、自分として、復讐の権利をはるかに踏み越えてしまったこと、自分として
もはや、「神われにくみしたまい、神われとともにいます。」ということのでき
なくなったことをさとった。」
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3.エドモンダンテスは数十年振で今は空き監獄となったシャトー・ディフを訪れ、
ファリア司祭が息を引取ったベッドに向かい感謝の言葉を捧げ自分の心に残る
疑惑を晴らすための言葉を求める。
そして門衛から司祭の著述を書き残した布の巻物を示される。
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それこそは、イタリーの王家に関するファリア司祭の畢生の大著にほかならな
かった。
伯爵は、いきおいこんでそれをつかんだ。そして、まず題辞に目をそそぎ、それ
を一気に読みくだした。
<主曰く、汝は竜の牙をも引き抜くべく、足下に獅子を踏みにじるべし。>
「そうだ!」と、彼は叫んだ。「これがご返事というわけなのだ! 父よ!
感謝します! 感謝します!」
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4.ダングラールへの復讐は彼を破産させたうえで、飢えの苦しみを味あわせるが
最後は僅かばかりの金を与え放免する。
ダングラールの頭髪は苦しみのため真っ白になっていた。
5.エドモンダンテスは最後に婚約者を失ったマクシミリヤン(昔世話になった
モレル氏の息子)に希望と財産を与え静かに去って行く
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親愛なるマクシミリヤンさん
わたしのあなたへの行動の真諦をお知らせしましょう。
それは、この世には、幸福もあり不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と
他の状態の比較にすぎないということなのです。
きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることが
できるのです。
マクシミリヤンさん、生きることのいかに楽しいかを知るためには、一度死を
思ってみることが必要です。では、なつかしいお二方、どうか幸福にお暮しく
ださい。
そして、主が、人間に将来のことまでわかるようにさせてくださるであろうその
日まで、人間の叡智はすべて次の言葉に尽きることをお忘れにならずに。
待て、しかして希望せよ!
あなたの友なる
エドモン・ダンテス
モンテ・クリスト伯爵
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この小説は私が小学生高学年の頃、親父が買ってくれた講談社世界少年少女文庫の
「岩窟王」で一度読んだことがあります。
その時はダンテスの無実の罪に服する苦しみと、復讐心、そして次々を恨みを晴らし
モレル氏の恩に報いた事が印象に残りました。
今回全編読み通すと復讐の後半になってダンテスの心に「無実の罪の恨みを晴らす
ためとは言え、こんな酷い事をして本当に良いのか?」という気持ちが生じが復讐心
と葛藤し、ビルフォールの気狂うのを見た後、最後の報復の相手ダングラールには
命を奪うこと止めた描写が印象に残りました。
H19.10.11
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