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[とっさの詭弁術 増原良彦 著 KKベストセラーズ刊]を読みました

 H29.10.23付の日経新聞第一面に
[自公勝利 安倍政権継続へ 自民、単独で絶対安定多数]の見出しが躍っている、
選挙前の安倍内閣支持率は40%前後なのに自民党が圧勝したのは批判票が
分散したからだ、との解説だ。
マスコミの発表する[内閣支持率]と選挙の結果 の解説には[内閣支持率]と称す
る調査結果が本当に民意の反映しているのだろうか?、 そんな事を思いながら
三十数年前に読んだ
[とっさの詭弁術 増原 良彦 著 KKベストセラーズ刊]を読み返した。

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雹のために疵付いたリンゴ
 ・皆さん、リンゴにちょっとした疵があるのに目をとめて下さい。これは雹に
  打たれた疵跡です。ここ疵跡が、このリンゴが高地で生産されたことを証明
  しているのです。皆様もよくご存じのように、高地では急激に気温が低下し
  て雹が降るのですが、その代わりにリンゴの中身がしまって、素晴らしい風
  味のリンゴが採れるのです。
 ・この例では、疵という大きな弱点が、みごとに逆用されているのである。
  ふつうの論理だと、リンゴの疵はどうしようもない弱点である。だからこれ
  を弁解しなければならない。疵があったところで、ちっともリンゴの味には
  変わりがない。それに、その分だけ安くなっているから経済的でさえある。
  そういった論理でもって売ろうとするわけだ。
 ・この”とっさの詭弁”にも、やはり論理のごまかしがある。
  そうです。疵のない高地産のリンゴもあるのです。そして疵のない高地産の
  リンゴのほうが完全品で、疵のあるリンゴはやはり欠陥商品なのだ。買い手
  にそれを忘れさせたところに、これが”とっさの詭弁術”として成功する秘
  密があった。
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私の現役時代、職場には酒豪と言われる人たちが居た。前の晩遅くまで呑み歩
いても翌早朝には会社に来て何事もなかったように仕事をこなしている。
そんな酒呑みにたいする詭弁も面白い。
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二日酔いの自己弁護
  東京型:明日の仕事のために、今夜の酒を節制する。この自己制御のできる
      のがプロ。
  大阪型:今夜いくら飲もうが、明日の仕事はきちんとする。二日酔いを口実
      にサボろうとしないのがプロ。
  これをうまく使い分けると、”とっさの詭弁”の方程式になる。
 ・(東京型の叱り)「二日酔いするまで飲むな!」
  →「そんな事はない。なんぼ呑んでも二日酔いしても、ちゃんと仕事やりゃ
    ええんやろ」(大阪型の言い訳)
 ・(大阪型の叱り)「仕事はちゃんとやれ!」
  →「アホ言うな、二日酔いで仕事がで  きるか・・・。叱るんやったら、
    飲むなと言ってから叱ったらエエんや」(東京型の言い訳)
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今振り返ってみると私の周りで酒豪と言われた人達は停年前後で亡くなる人が
多いようで、酒呑みに関しては東京型の弁護が正しいように感じる。


普段の生活や仕事の面で何かミスして他人に迷惑をかける場合があるが、その
際の謝り方一つでトラブルになったり、丸く収まったりするのは日常よく経験する
事だ。謝らないで放って置くのは論外だが、下手な言い訳は逆効果、機転を利か
せた”とっさの詭弁”が紹介されている。
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現代の若者がいちばん下手なのが”とっさの詭弁”を使った謝罪であろう。  
若いビジネスマンは、謝罪ができずに、いわゆる口答えをしてしまう。
「そうはおっしゃいますがね、あんただって遅刻したではありませんか!?」と
これでは喧嘩である。どれだけ正しい反論をしても、自分が悪い事をしたときは、
それは「屁理屈」にしかならないのだ。

”とっさの詭弁”はユーモアである。ユーモアのある”とっさの詭弁”を使って謝罪
をすれば、相手もすんなりと許してくれるであろう。それが日本の特徴である。
誤った者を徹底的にいじめるといったようなことは、日本人にはできない。
さらに、”とっさの詭弁”で謝罪されると、叱った方も気が楽になる。ときに女性は、
叱られたときに黙ってメソメソするが、あれは困る。叱った人間は後味が悪いも
のである。
もちろん、若いビジネスマンだって同じだ。叱られて黙ってしまう人が多いが、  
黙っていられてはなんとなく気味が悪いものだ。自分の叱りを、相手が悪意に受
け取ったのではないかと、いらざる気苦労までしなければならない。
だから”と っさの詭弁”で謝罪してくれると、ほっとするのである。
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ずっと前に亡くなった森重久弥さんにこんなエピソードがある

ある時 森重久弥さんが目の不自由な子供達を慰問した
楽しいお喋りのあと、「七つの子」を歌った
「カラスなぜなくの・・・・・」
二番目の歌詞に移った
「山の古巣に行ってみてごらん」
ここで、歌をパタッと止めた
周りはドキッとした、 歌詞を忘れたのでは・・・・・
ひと呼吸おいて歌を続けた
「まあるい顔したいい子だよ」
もちろん正しくは「まあるい目をした」だ、目の不自由な子供の前で、だれが
「まるい目」と歌えるか。
一瞬、相手を思いやって歌詞を変えた、この優しさが森繁久弥さんの魅力
だろう

            ([ひと言のちがい] 金平敬之助著 PHP研究所刊)

比較にならぬものを比較するのが”とっさの詭弁術”、その根底に他人に対する
寛容の心がこもっているのがユーモアだ と言う著者の言葉を大切にしたい。

                       H29.10.27

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