チャップリン自伝(中野好夫 訳 新潮社 刊)
チャップリンと言えば山高帽、チョビひげ、ステッキのトレードマークが直ぐに思
い浮かびますが、このメーキャップがうまれた時の描写を興味深く読みました。
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「なんかここでギャグの欲しいところだな」とセネットさん(キーストン社の幹部
監督)は言った。そして私の方をふり向くと、「おい、なんでもいいから、なに
か喜劇の扮装をしてこい」
といって、とっさにそんな扮装など思いつくわけもなかった。
しかし、衣装部屋へ行く途中、私はふとダブダブのズボン、大きなドタ靴、それ
にステッキと山高帽という組合せを思いついた。
ダブダブのズボンにきつすぎるほどの上着、小さな帽子に大きすぎる靴という、
とにかくすべてにチグハグな対照というのが狙いたった。
年恰好のほうは若くつくるか年寄りにするか、そこまではまだよく分からなかった
が、これもとっさに、とりあえず小さな口ひげをつけることにした。こうすれば
無理に表情を隠す世話もなく、老けて見えるにちがいない、と考えたからである。
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メーキャップにとりかかると次第に扮装する人物の性格が思い浮かび、[やる事は
精々モク拾いか子供のあめ玉をちょろまかす事しかできない浮浪者でも心意気は
紳士、詩人、夢想家の心をもった人物]に成りきってしまう。
そして役作りで一番大事なのは扮する人物の姿勢、それを見つけ出すのが苦心のし
どころで[真剣に行動してるつもりでドジを踏む]人物の可笑しさの中に潜む悲しさ
を行動で示すことで大爆笑を誘う演技がうまれた、と書かれてました。
役者として主人公を演ずるうえで、性格と姿勢がポイントだと記されていますが、
姿勢を[日頃の行動]と解釈すると、性格と日頃の行動、これは人を判断する時の
要素と同じだ と思いました。
H20.2.28
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